パシージョ(花道)とは
パシージョとは、「選手たちを称える意味合いで、対戦相手の選手たちが花道(通り道)を作って迎え入れること」を指す。スペインならではの慣習だ。
一般的には、ラ・リーガやコパ・デル・レイ(国王杯)などの大会で優勝が決定した場合、その次のラ・リーガの試合の入場時に、対戦相手はパシージョを行うことが通例となっている。ただし、エル・クラシコのようにクラブ間のライバル意識が強ければ強いほど、パシージョが行われるかどうかは議論の対象になる。ちなみにパシージョを行うことは義務ではなく、するかしないかは当事者の判断に委ねられる。
パシージョが行われるかどうか
スーペルコパにて(UEFAスーパーカップ王者に対して)
パシージョで迎えられた例は一度もない。
ラ・リーガにて(UEFAスーパーカップ王者に対して)
以下がパシージョで迎えられた例。
- 2004年のバレンシア
- 2006年のセビージャ
- 2010年のアトレティコ・マドリード
- 2012年のアトレティコ・マドリード
それに対し、以下がパシージョで迎えられなかった例。
- 2009年のバルセロナ
- 2011年のバルセロナ
- 2014年のレアル・マドリード
- 2015年のバルセロナ
- 2016年のレアル・マドリード
ラ・リーガにて(クラブ・ワールドカップ王者に対して)
以下がパシージョで迎えられた例。
- 2010年のバルセロナ(ベティスがパシージョ)
- 2015年のバルセロナ(ビジャレアルがパシージョ)
それに対し、以下がパシージョで迎えられなかった例。
- 2017年のレアル・マドリード(バルセロナがパシージョ拒否)
このバルセロナのパシージョ拒否に際し、ジダン監督は「バルセロナが慣習を破った」と発言した。バルセロナの地元紙は「パシージョを行うのは対戦する両チームが同じ大会に参加していた場合に限る。通常はラ・リーガ、国王杯が対象であり、クラブ・ワールドカップはバルセロナが参加していないからパシージョの対象とはならない」との見解を示した。だが前述の通り、過去バルセロナ自身がパシージョで迎えられた例もある。
ラ・リーガにて(ラ・リーガ王者に対して)
タイトルが決まった節の、その次の節の試合で、優勝チームに対して対戦相手がパシージョを行うのが通例。
2007-2008シーズンの第36節では、前節優勝を決めたレアル・マドリードをバルセロナが花道で迎えた。しかも試合は1−4の完敗だった。
2017-2018シーズンの第36節では、前節優勝を決めたバルセロナに対しレアル・マドリードはパシージョを行うのが通例だが、ジダン監督はパシージョを行わない意思を示している(前述のクラブ・ワールドカップでパシージョが行われなかった件を理由としている)。