サッカーの戦術や概念についての覚え書き

目次

攻守両局面、全体的に

ポジショニングの重要性

サッカーとは、「敵」「味方」「ボール」の相関関係を意識し、どこにポジションをとるべきかを突き詰めるスポーツである。

得点の内訳

一般的には、得点の70%がオープンプレーから。30%がセットプレーから。

チームに必要な4つの戦術

チーム戦術

チームのベースとなる戦術。これを通じて1シーズンリーグを戦う(微調整や大幅変更も)。

ゲーム戦術

相手の戦術との相性などを考え、1試合ごとに戦術のディテールを調整する。

グループ戦術

攻守において「集団」でどのようにプレー・ポジショニングすべきか。

個人戦術

戦術理解度の高さ。(どこにポジショニングすべきかの理解など。)

※個人戦術とは「チームのゲームモデルに沿った個人の戦術的判断」。
まず大枠となるチームのゲームモデルがあり、その枠組みのなかで選手個人が最適な判断を選んでいく。

グループ単位の概念

①チーム
②インタセクトリアル:相互役割別
③セクトリアル:役割別
④グループ:局面での2対2や3対3など
⑤個

※戦術的ピリオダイゼーションから5つに分類。
この5つの単位を、一貫するゲームモデルとして統一する。

サッカーの4局面

・攻撃(ボール保持時)(遅攻)
・守備(ボール被保持時)(対遅攻)
・ポジティブ・トランジション(守→攻の切り替え)(速攻)
・ネガティブ・トランジション(攻→守の切り替え)(対速攻)

※トランジションサッカー:切り替えを非常に重要視するサッカー。
※トランジション時(攻守が切り替わる瞬間)は、イタリアでは「戦術的空白」とも呼ばれる戦術統制が効きにくい瞬間。

エントレリネアスとローテーション、ゾーンとマンマーク

攻撃コンセプト

・エントレリネアス:相手のライン間でボールを受ける
※バルセロナのように戦術的インテリジェンスとテクニックが必要。

・ローテーション:連動したオフ・ザ・ボールの動きでDFを撹乱
※ドイツ代表のようにアスリート能力が必要。

守備コンセプト

・ゾーン:エントレリネアスに弱い。ローテーションに強い。
・マンマーク:エントレリネアスに強い。ローテーションに弱い。

サイクルは回る…

スペース攻略を狙うローテーション
→スペースを潰すゾーンディフェンス
→ゾーンディフェンスの隙間を狙うエントレリネアス
→ヒトを潰すマンマークディフェンス
→オフ・ザ・ボールでマンマークを振り切るローテーション

クラブの勝ち方

・中長期的戦略によって勝つ
・保持戦力を活かして勝つ
・戦術的優位性で勝つ
・勢いに乗って勝つ
の4つの勝ち方がある。

※例えばレアル・マドリードは「保持戦力を活かして勝つ」クラブ。
こうしたクラブは「戦術的優位性で勝つ」タイプに強く、「勢いに乗って勝つ」タイプに弱い。

オフェンスについて

サイドでのパス

3度以上同じサイドで短いパスを繋げるべきではない。プレッシングにかかり抜け出せなくなる。

サイドバックの釣瓶(つるべ)の動き

両サイドバックを高い位置に上げず、「片方が上がれば逆が下がる」という考え方。イタリア式。
※現代サッカーでは絶対ではない(中盤が降りてきて疑似3バックにし、両SB上げるなどの戦術も)。

アーリークロス

ブロック守備で埋められない場所から、余裕のある状態で正確なアーリークロスを送る攻撃。世界的にも定石になりつつあり積極的に狙われる(それだけアーリークロスを正確に出せる選手が増えている)。

ディフェンスについて

時代ごとの守備戦術概要

〜90年代前半

DFラインはなるべく高く維持して、10人がコンパクトに守る。中盤にブロックを置いた守り方。

〜90年代後半

適宜ラインを下げて、低いブロック形成が主流。

現在サッカー

「敵陣でのプレッシング」「中盤でのブロック形成」「自陣深くのブロック形成」の3つを組み合わせた守り方。

守備プロセス

誘導からのボール奪取。1人でボールを取ることはできない。
※守備が良いチームは、どこでボールを取ろうとしているのかが分かる。

現在サッカーの守備戦術

ゾーンの区分けは、ディフェンディングサード、ミドルサード、アタッキングサード。現代サッカーにおける守備(組織的プレッシング)は、3つのエリア(状況)に応じて使い分けされている。

①アタッキングサード:積極的にプレッシングを実行する守備。相手の最終ラインにも激しく寄せる。
②ミドルサード:ブロックを形成して待つ守備。相手ボランチを狙い、スムーズな攻撃を阻害。
③ディフェンディングサード:押し込まれゴール前を守る守備。

欧州では、(全クラブではないが)基本的には3つどれもやらなければならない。ディフェンディングサードでの守備は、多くの場合仕方なくやっている。
※だが日本ではまだミドルサード、ディフェンディングサードの守備が多い。

攻→守の切替時のコンセプトの代表例

パターン1:ボールを失った瞬間のプレッシング

・ボールを失った瞬間からプレッシングを発動し即時奪回を目指す。
・ボールに近いエリアの選手は、プレッシングに行くべき。
・ボールから遠いエリアの選手は、カウンターやサイドチェンジに備え、守備組織を再構築する。

パターン2:やや後退

・DFラインを高く保ちつつ後退し、中央に向かって守備組織を再構築する。
・相手にスペースを与えず、ボールへのプレッシングが続けてかかりやすい。
・逆サイドの選手は、中央エリアに絞る横への動きが求められる。
※逆サイドSBの背後のスペースが空きやすい。DFライン背後にも広大なスペースを与える。

パターン3:完全に後退

・プレッシングに行かずに後退し、守備ブロックを形成する。
・カウンターでの失点リスクを抑えられる。
・ボールへの継続的なプレッシングがかからず、ボール奪取しにくい。
・リード時、ゲームを落ち着かせたい時、プレッシングが機能しない時などに有効。

プレッシングの種類

※どちらもボールホルダーに素早く寄せることは一緒。

ボールを奪うためのプレッシング

・ボールを奪いに行くための(インターセプションを目的とする)激しい寄せ。
・数的同数以上の場合が原則。
・足元に飛び込んだり身体をぶつけたりして、ボールロストを誘う。

プレーを遅らせるプレッシング

・パスコースを切り、相手のボール出しを妨害したり、プレーを遅らせたりする。
・数的不利の場合はこちらを優先すべき。
・足を止めて相手に立ちはだかる。
・スイッチ役のサイドハーフがプレッシングに出たら、SBやボランチが連動し前に出る。

どのエリアでボールを奪おうとしているのか?

サイドで奪う

・FWが中央を閉じ、相手ボールをサイドへと追い込んで奪う。「狭い方へ追い込む」のセオリー通り。
・サイドはピッチ中央と違いパスコースを限定しやすい。プレスがハマりやすい。
・ザッケローニジャパンが好例。

ピッチ中央で奪う

・セントラルMFのボール奪取能力が高い、または相手ボランチの能力が低い場合は、外の縦パスを遮断しピッチ中央へボールを誘導し、そこで奪う方法も有効。
・奪った後の展開に期待できる。ピッチ中央から一気に攻撃を仕掛けられる。
・ハリルジャパンのW杯アジア最終予選ホーム豪州戦の例。

守備ブロック

・現代サッカーでは9人で守備ブロックを作り、1人をカウンター要員として残す位がスタンダード。
・守備ブロック8人だとやや攻撃的。
・守備ブロック7人ならだいぶ攻撃的。

失点タイプ分類

避けることのできない失点

スーパーゴールなど。

ミスによる失点

選手のミスに起因する失点。シーズンにおいて一定数ある。
※あまりに多ければ、選手の能力と戦術が合致していない?(難しいことさせすぎ)

戦術的練度不足による失点

ポジショニングミス、カバーリングの遅れなど。これを避けることのできる失点と認識し数を減らすのが監督の仕事。

シチュエーションによって許容せざるを得ない失点

例えば3点差で負けている状況で、リスクを犯して攻めたらカウンターでくらった失点など。
※多少諦めざるをえないが、あらかじめリスク管理は整理しておくべき。

相手センターバックの持ち上がりに対して

自陣中盤に人員を多数配置し、相手CBを放置する戦術は、相手CBにビルドアップ能力がなければ有効。入ってきた縦パスを奪いショートカウンターが仕掛けられる。
※ハリルジャパンのW杯アジア最終予選ホーム豪州戦の例。

ただし相手CBが優秀だと…
・放置したCBにボールを運ばれる
・対角線フィードで裏を取られ6バック化⇒回収しても戦況が悪く手詰まり
となる。

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