ハリルホジッチ監督解任の理由を考えられるだけ挙げてみた

日本サッカー協会(JFA)は4月9日にハリルホジッチ日本代表監督を解任した。会見に出席した田嶋幸三会長は、解任理由を以下のように説明。「マリ戦とウクライナ戦の後、選手とのコミュニケーションや信頼関係が薄れてきた。総合的な判断で解任に至った」。どこか曖昧だ。

それゆえネット上では様々な陰謀論が幅を利かせてくるようになる。田嶋会長の曖昧会見のせいで、素直に愛されない代表になってしまった感があり悲しい。

本稿では、(そんなことをしても仕方ないのだが)考えられるハリルホジッチ監督の解任理由をいくつか考えてみた。どこかに真相があるのだろうか。
※「これ」というひとつの理由でなく、たぶん複合的なのだと思う。

考えられるハリルホジッチ監督の解任理由

圧力めいたこと

スポンサーが直接的に圧力をかけて解任

個人的に思う「あり得る度」:★☆☆☆☆

スポンサー圧力説は根強い。圧力をかけたと噂されているスポンサーとして「キリン」「アディダス」「電通」が槍玉に挙げられている。

個人的にはないと思う。「うちと契約している選手が起用されない」という理由で圧力がかかったというなら、豪州戦(ホーム)後に解任されているはず。「魅力的なサッカーではない」という理由で圧力がかかったというなら解任が遅すぎる。解任タイミング的にスポンサー圧力説は整合性が取りにくい。

またスポンサーの権限が強いのであれば、招集や起用法に関してこれまでにも圧力がかかっているはずで、監督にも何らかの進言があるはずだ。だがハリルホジッチは会見でそのような暴露は行わなかった。会見前には「ハリル爆弾発言」を期待していたファンも多かったようだが、それはなかった。

とするとスポンサー陰謀論は眉唾ではないか。スポンサーもサッカーに関しては素人であり、その辺の分別はわきまえていると思う。ともあれ「圧力はない」と断定できる根拠もないため、真相は知る由もない。

JFAがスポンサーに忖度して解任

個人的に思う「あり得る度」:★★★☆☆

あり得るとしたら、JFA側がスポンサーに忖度して解任した可能性。

スポンサーも営利企業であるため、ビジネス的に旨味がないと知ればすぐに去っていく。無言のプレッシャーはあるはずで、そこに対しご機嫌伺いをする空気感はあっても不思議ではない。実際JFAは、これまでのハリルジャパンの内容の評価やテレビ視聴率などのデータは精査していたはずだ。スポンサー受けの良さ・悪さも肌感覚として察していたはずだ。

そんななか、JFAがスポンサーに忖度し、ハリルホジッチを監督としてロシアワールドカップを戦うのは不適当と判断し解任した可能性は拭えない。

JFAの政治的理由で解任

個人的に思う「あり得る度」:★★☆☆☆

3月24日に開催されたJFA理事会において、田嶋会長の再任が承認されている。また、岩上和道事務総長(元電通役員)が副会長に就任した。そのすぐ後の今回の解任撃なので、JFAの政治的判断による解任が疑われている。つまりは田嶋会長が自分の立場が安全になったタイミングで解任を実行したという説だ。

選手がJFAに解任を進言し解任に追い込んだ(「自分たちのサッカー」をやりたいという理由で)

個人的に思う「あり得る度」:★☆☆☆☆

JFAは選手の言いなり説。オシムの比喩表現を借りれば「腐ったリンゴ」があるような状態。「腐ったリンゴ」は数個だけなら速やかに排除すれば済むが、放っておけば周りのリンゴも腐らせる。たくさんのリンゴが腐ってしまっている状況なら監督を代えるしかない。言い得て妙である。

ちなみにネット上の陰謀論を精査すると、JFAに解任を進言したと噂される選手は本田圭佑、香川真司のザックジャパン2大エース。人気選手の宿命だろうか。あるいは他にもたくさんの選手が解任を進言したのかもしれない。

だが、選手たちが「自分たちのサッカー」をやりたいだけの自己満足集団で、JFAに解任を進言したというこの説は、少々いきすぎではないかと思う。もしそうなのだとしたら解任が遅すぎる。豪州戦(ホーム)では本田も香川も起用されておらず、守備的に戦って勝利した。あの試合の後に続投の流れでまとまったし、現にここまでもったので、この説は説得力に乏しい。(※ただし少し似た説は下に用意してあります。)選手たちは「自分たちのサッカー」に囚われたナルシスト集団ではないと思うが…。

監督としての能力

直近10試合を観る限り無能だから解任

個人的に思う「あり得る度」:★☆☆☆☆

サウジアラビア戦以降の直近10試合の戦いぶりはポジティブではなかった。したがって解任。なるほど腑に落ちる理由である。

だが「直近10試合を観る限り無能」という評価は、必ずしも適当ではないと思う。ハリルホジッチはテスト色の強い戦いぶりを繰り返していた。起用も戦術もである。直近10試合は真の姿ではないように思えたし、事実ハリルホジッチは会見でテストである旨を明言した。

ちなみに田嶋会長自身も、「結果が理由ではない」と明言している。したがってこの説は解任理由そのものではないと考えてよいだろう。(参考材料ではあったかもしれない。)

過去全ての試合を精査した限り無能だから解任

個人的に思う「あり得る度」:★★☆☆☆

直近10試合の印象は悪かったが、それ以前も総じてポジティブな試合を繰り返していたわけではない。過去すべての試合を精査して、ハリルホジッチを優秀ではないと判断したのかもしれない。

過去全ての試合を精査して、今後の日本サッカーの方向性とずれているから解任

個人的に思う「あり得る度」:★☆☆☆☆

ハリルホジッチのサッカーが今後日本サッカーが歩むべき方向性とずれている。よって継続の意味が無いので解任。あやういロジックだが一応通る。

だがそうであれば、解任のタイミングはホームの豪州戦後(サウジアラビア戦後)が適当だった。少なくともいま解任しなければならない理由にはならない。(ここまできたら本大会後のほうがよい。)

監督と技術委員会との話し合いの結果、何も策がなさそうだったので解任

個人的に思う「あり得る度」:★★★★☆

E-1選手権やベルギー遠征後、監督と技術委員会とで話し合いがなされたとしよう。(※ハリルホジッチは話し合いがなかった主張したが、JFA側はあったと主張している。)話し合いの結果、ハリルホジッチに何も策がなさそうだったので、無能と判断し解任。十分ありそうな流れであると思う。

ちなみに筆者はハリルホジッチは策を持っていたと思う。だが情報漏れを心配し何も言わなかったのではないか。あるいはJFAと監督との間でのコミュニケーション不足があったのではないか。

監督と選手の信頼関係が崩壊

田嶋会長の説明によると「マリ戦とウクライナ戦の後、選手とのコミュニケーションや信頼関係が薄れてきた。」とのこと。したがって、この中のどれかが理由かもしれない。

選手が「ハリルホジッチでは勝てないのでは?」と懐疑的になり、それでJFAが継続不可能と判断し解任

個人的に思う「あり得る度」:★★★★★

前述の「選手がJFAに解任を進言し解任に追い込んだ(「自分たちのサッカー」をやりたいという理由で)」という説と似て非なるもの。

選手はハリルホジッチを信じようとしていたが、「もしかしてハリルホジッチでは勝てないのでは?」と懐疑的になってしまった可能性。JFAは選手に個別に話を聞いたようだが、JFAがそうした信頼の薄れを「深刻な信頼関係崩壊」と解釈し、解任判断を下した可能性はある。

選手とのコミュニケーション関係が劣悪だったので解任

個人的に思う「あり得る度」:★☆☆☆☆

もともと選手とのコミュニケーション関係が劣悪だったという可能性。

いくつかの記事で「練習や試合で指示を忠実に実行しなかった選手が外された」「相手の意見を尊重せず頑固」といったマネジメント手腕を疑問視する意見は見られた。だとしたら選手から不満が上がるのは道理にも思える。

だがハリルホジッチは会見の席で「選手との間に不和はない。解決できる」と語っていた。川島永嗣や槙野智章のコメントから察するに、劣悪な関係ではなかったはずだが…。

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