3度のUEFAチャンピオンズリーグ優勝など、近年欧州の舞台で勝負強さを発揮するレアル・マドリード。そんなエル・ブランコの中心選手にして最重要人物とも評されるのが、クロアチア代表MFのルカ・モドリッチだ。世界でも指折りの名手であり、どんな大舞台でも卓抜とした輝きを見せる小さな巨人は、歴代の伝説的クロアチア人プレイヤーと比較しても遜色ないレベルに到達したと言っても相違ないだろう。
目次
プロフィール
本名 | ルカ・モドリッチ(Luka Modrić) |
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国籍 | クロアチア |
生年月日 | 1985年9月9日 |
身長 | 172cm |
体重 | 66kg |
ポジション | MF |
利き足 | 右(両足) |
プロデビュー | 18歳 |
略歴
クラブでの活躍
地元クラブであるNKザダルの下部組織出身。2002年にディナモ・ザグレブへ移籍。レンタル移籍を経て2005年にディナモ・ザグレブのトップチームデビュー。2007年にはリーグ年間最優秀選手に選出されクロアチア国内でも評価を高める。
2008年にトッテナムへ移籍(移籍金は当時史上最高額の2300万ユーロ)。レドナップ監督の元、ベイルらとチームを牽引した。
2013年にレアル・マドリードへ移籍。移籍初年度は苦しんだが、2013年にアンチェロッティが監督に就任してからは確固たる地位を確立。チームの柱として中盤に君臨し、世界的名手としての評価を手にする。
代表での活躍
2006年3月に代表デビュー。2006年ドイツワールドカップのメンバーにも選出され、日本戦とオーストラリア戦に途中出場。
それ以降は徐々に代表の主力として定着。EURO2008では大会優秀選手23名のひとりに選出。2016年以降はクロアチア代表のキャプテンを務める。
プレースタイル、特徴、強み
中盤底の絶対的司令塔
レアル・マドリードでは主に中盤低め(右)の位置でゲームメイカーとしてプレーする。世界最高レベルの高いボールテクニックと判断力を併せ持ち、クロースとともにポゼッションの核となる。両足で長短織り交ぜた精度の高いパスが出せ、ボールを散らすことも、楔のパスも出せる(アウトサイドキックがうまいのも特徴)。彼がいる・いないではチームのクオリティはガラリと変わる。「モドリッチのチーム」と評されるほどだ。
※もともと攻撃的MFだったこともあり、中盤であればどこでもプレー可能。
ドリブル
敵陣に侵入したり、相手の守備組織を切り裂くドリブルも巧みで、スモールスペースでの打開力がある。相手の動きを瞬時に読み取れるタイプで、逆を取るのがうまい。小柄ながらダイナミズムがあり、(レアル・マドリードではここ1、2年は押さえ気味だが)崩しの局面での質も高い水準にある。
キーパス、スルーパス
視野の広さも技術もあるため、キーパスの質も高い。クロースと比較すると、戦況をガラリと変える攻めのパスが多い印象。
高い守備意識
守備意識も高い。的確な読みと激しい寄せが秀逸で、インターセプションの数も多い。また試合を通じて高い集中力を保ち、パスコースを遮断する中盤のフィルターの役目も果たしつつ、自陣深くまで戻る献身性も備えている。バランス感覚に優れた怜悧な選手だ。
弱点(課題)
フィジカル的な守備能力
フィジカル的側面からみた守備能力は弱みではある。身長172cmだけに空中戦に弱く、タックルにも課題がある。とはいいつつも、守備意識やポジショニングに深刻な問題を抱えておらず、強いて挙げればというレベルだが。
得点力
こちらも強いて挙げればというレベル。ここ数年はゴール数がやや寂しい。レアル・マドリードの戦術的特徴として左からの攻撃が多いので、得点力を発揮する機会に恵まれていない影響もあるだろう。
おまけ
落ち着いた人間性
レアル・マドリードは世界最高の選手たちを揃えるクラブ哲学をもつだけに、選手たちのプライドの高さも世界最高で、しばしば内紛も起こってしまう。がモドリッチはそうしたトラブルとは無縁。普段は無口で落ち着いており、誰にでもリスペクトを示すパーソナリティを持っているという。時としてC・ロナウドやベイルにも意見を言うなど、ベテランとしての自覚も。クラブ内において模範的選手のひとりだ。