ファイナンシャルフェアプレー(FFP)とは

本稿では、近年のビッグクラブの補強戦略に大きく影響を与える仕組み「ファイナンシャルフェアプレー(FFP)」についてまとめた。

FFPの目的

FFP規約は2011年6月からUEFAによって導入された。UEFA主催の大会、チャンピオンズリーグ、ヨーロッパリーグ参加のために、各クラブが遵守すべき規約として定められている。欧州各クラブの財政健全化、給与・移籍金の不当高騰を避ける目的で作られた。

FFP規約の内容

赤字経営の禁止だ。対象となる時期において、支出が収入を越えてはならない。

収入は「選手売却による移籍金」「スタジアム入場料」「テレビ放映権料」「各大会賞金」「グッズ収入」「スポンサー収入」などと定める。支出は「選手の移籍金」「給与」「その他人件費」などと定める。銀行からの借り入れ、以前は形骸化していた金満オーナーのポケットマネーによる高額移籍金の支払いと赤字補填はアウトだ。

審査は「過去3シーズンの合計」で判断される。支出の例外として、育成や施設への投資は別会計とされる。

FFPを破ったクラブに対しては、UEFAは欧州大会参加権の剥奪(UEFAクラブライセンス停止)という制裁を課すことができる。

影響

FFPの煽りを受けて、ACミランやインテルが弱体化した。これらクラブは、名物会長のポケットマネー補塡をよりどころとしてクラブ運営を続けてきたが、それが禁止されると主力選手を売却せざるをえない状況に陥った。ACミランばカカ、チアゴ・シウバ、イブラヒモビッチなどを、インテルはエトーやスナイデルを売却対象とした。

また数あるビッグクラブへ与えた影響として、アジアや米国へのプレシーズンツアー実施が挙げられる。グッズやスポンサー収入の増収を期待してのイベントで、メガクラブでも営業活動を熱心にこなさなければならなくなった。

スカッド編成への影響も考えられる。コマーシャル要員としてアジア人選手と契約したり、下部組織出身の若手選手の登用も今後は増えてくる可能性は高い。

問題点

最大の問題点は、このルールそのものがフェアであるかどうかという点に尽きる。

例えば、金満クラブとして有名なマンチェスター・シティやパリ・サンジェルマンは、クラブオーナーと関係の深い企業と巨額のスポンサー契約を結んでいる。これが実質的な赤字補填をしているとみられているのだ。オーナーのポケットマネー支払いは禁止事項だが、スポンサー契約は通常の商取引であるためUEFAにはそれを禁じる権限がない。ルールに抜け道があるとみられても致し方ない。

加えて現実問題として、FFPの導入が開始された2011年以降も選手の移籍金は高騰するばかりである。ちなみに記事執筆時点での歴代の移籍金ランキング1位は、2017年の夏にパリ・サンジェルマンがネイマール獲得に費やした2億2200万ユーロである。

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