試合にも影響を与えるピッチコンディション(芝)に関するあれこれ

試合にも影響を与えるピッチコンディションについての知識を簡単にまとめてみた。サッカー中継でも試合開始直後にピッチコンディションに触れる解説者は多く、馬鹿にできない知識である。サッカー好きならこれくらいの知識は基礎としておさえておこう。

ピッチの柔らかさ、硬さ

ピッチの硬さはその国(地域)の風土によって変わる。土の重さ、雨量、雨で土が固まりやすいかどうか、水はけの良し悪しなどによるため、簡単に改善できるものではない。

ピッチが硬い

日本のスタジアムのピッチは硬いといわれている。欧州組が日本に帰還するとその点に違和感を感じるようだ。芝で足を滑らせることはほとんどない。ボールがよく弾み、転がるスピードも速い。

ちなみにピッチが硬いと、エネルギーが反発しやすいため膝や腰に負担が掛かり痛めやすいといわれている。

ピッチが柔らかい

欧州のスタジアムのピッチは柔らかいといわれている。芝で足を滑らせやすく、日本代表の欧州遠征では国内組の選手が足を滑らせるシーンをしばしば見る。

柔らかいピッチは激しいプレーで芝生が剥がれることが多い。筋肉への負荷は大きいものの、逆に関節への負荷は小さくタックルのダメージも少ない。

関連事項:スタッドについて

スタッドとは靴底の凹凸(突起部分)のこと。ポイントともいう。ソールと表現されることもあるが、ソールとは靴底全体を指す。

固定式

スタッドが固定されており変えられない。ポイントが多いため、足への負担が少なく足裏プレーがしやすい。ただし滑りやすく、踏ん張りがきかない。

ピッチが硬い日本のスタジアムなどでは、芝で足を滑らせることがほぼないので、スタッドが固定式のスパイクでも問題なくプレーできる。

取り替え式(ミックス式)

スタッドを取り替えられる。スタッドの長さを変えられるので、スパイクが長持ちする。踏ん張りがききやすい。ただし固定式に比べて重く、足への負担が多い。足裏でのプレーが難しい。

芝で足を滑らせたらスタッドのポイントを高くするのが一般的。相手の細かい切り返しについていくためには取り替え式、またはミックス式(固定式と取り換え式のスタッドが混ざったもの)のほうがよい。ピッチが柔らかい欧州のスタジアムのなどでは、芝で足を滑らせやすいので、スタッドがミックス式のスパイクを履くのがよいとされる。

※メッシは固定式ソールを愛用している。ボディーバランスがしっかりしていれば固定式でもよいか。

芝の種類について

天然芝

ほとんどのスタジアムが天然芝であると考えてよい。後述のハイブリッド芝のスタジアムも増えているが、あくまでも天然芝に似せる意味あいで考案されたものだ。

天然芝の特徴は、芝が柔らかいのでプレーしやすいことに尽きる。足腰への負担が少ない。

そのかわり芝の手入れなど維持費がかかる。

人工芝

人工芝のピッチはあまり多くはない。話題となるのは日本代表のアウェーの試合の時くらいで、2011年の北朝鮮戦、2015年のカンボジア戦の戦前には人工芝対策が注目された。

人工芝といっても種類は様々で特徴は一概にはいえないのだが、一般的にはスライディングがしづらかったり足腰への負担が大きかったりする。ボールの弾みが大きいなど、プレー面においても違和感が生じる場合がある(ただしイレギュラーは少なくなる)。

手入れが簡単で比較的維持費がかからないのはメリットといえる。

ハイブリッド芝

近年注目されているハイブリッド芝。天然芝の根元を人工芝で補強するという考え方で、天然芝100%に近いピッチコンディションを確保できる。さらには芝の耐久性が上がり試合中に芝がめくれにくい。プレーの質と安全性を維持(あるいは向上)させつつ、天然芝のデメリットである環境維持費も抑えられる。まさにいいとこどりだ。

欧州などにおいてサッカークラブがスタジアムを所有する場合、ハイブリッド芝であれば、芝の耐久性が高いためイベントへの貸し出しなどスタジアムビジネスによる増収も見込める。

芝の長さ

芝が短い

芝が短いとボールの転がるスピードは速くなる。バルセロナなどパス回しが上手いチームは、ホームスタジアムの芝を短く刈り込んで試合に臨む場合が多い(水をまくとさらに速くなる)。

芝が長い(深い)

芝が長いとボールが転がらない。手入れ不足により長くなってしまう場合もあれば、バルセロナ対策としてあえて長くする場合もある。

芝に関する知識あれこれ

ボトルの中身は水でなければならない

試合中に選手は水分補給をするが、基本的にボトルの中身は水でなければならない。スポーツドリンクはベンチに下がってから飲むようにしている。

芝生に水以外のものがかかると、芝生が痛むからだ。

補足:クラブがスタジアムを所有するということ

欧州ではサッカークラブがスタジアムを所有するケースは多く、現在も増えつつある。

そのメリットとしては、陸上トラックのないスタジアムにするなど観戦環境を第一に設計でき、改善の自由もきく点が挙げられる(クラブが所有するスタジアムでないと、運営権限がなく要望が通りにくい)。

さらには、サッカークラブの収益の柱である広告料収入、放映権収入、チケット収入、グッズ収入にプラスして「スタジアム収入」を得ることができる。

ところが、Jリーグにおいてはクラブがスタジアムを所有する流れは進んでいない。Jクラブ所有のホームスタジアムは、柏レイソルの「日立柏サッカー場」、ジュビロ磐田の「ヤマハスタジアム」くらいで、いずれも親会社所有である。前述の経営改善のメリットは、聞こえはいいものの、建設費だけで100億程かかり維持費もかかるため、公営スタジアムを借りるほうが安くて済む。Jリーグのクラブではスタジアムを所有するほどの経営体力がないのが現状だ。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)