本稿ではサッカー界においてなにげに重要な存在『サッカーライター』にスポットを当てる。いま現在多数の媒体で執筆をこなしていると思われるライターたちをずらっと紹介し、筆者独自に信頼度を査定した。
ライター一覧
以下敬称略。
・名前はペンネームやハンドルネームの場合あり。
・信用度は勝手に選定。主観のみならずウェブ上ので評判も精査した。基準は★★☆。
コラム(日本サッカー)
中西哲生(元選手)
主なカバー範囲:全般
信頼度:★★☆
解説者・スポーツジャーナリストでもある。多数のテレビ番組に出演しており、トークも上手で司会もそつなくこなす。選手のパーソナルコーチング業も。
金子達仁
主なカバー範囲:日本代表/スペイン/その他スポーツ
信頼度:☆☆☆
愛称はカネタツ。テレビ番組出演多数。南アフリカワールドカップでの岡田ジャパン成績を「0勝3敗」と予想し外れるも「悲しい勝利」「アンチフットボール」と酷評した。バルサ信奉が根強く美しく勝つことに固執。ハリルホジッチ監督に対しては一貫して解任派であり、バルベルデバルサも厳しく批判した。柿谷曜一朗をジーニアスと評したことも。
西部謙司
主なカバー範囲:全般
信頼度:★★★
多くの雑誌に寄稿しているライター界におけるエース格。戦術分析に定評があり戦術本の出版も多数。『サッカー戦術クロニクル』では昔の戦術の知識も披露。しばしばスカパー!などの番組にも出演する。
戸田和幸(元選手)
主なカバー範囲:全般
信頼度:★★★
欧州サッカーからJリーグまでカバーする解説者。『解説者の流儀』も好評。選手としての実績も申し分なく、選手目線も大切にしつつ戦術的視点で試合を鋭く分析する。基本的には喋りの人で、寄稿ペースは多くはない。
岩政大樹(元選手)
主なカバー範囲:日本代表/Jリーグ
信頼度:★★★
元日本代表DFで教員免許も取得しているという個性派。多数のテレビ番組にも出演している。書籍『PITCH LEVEL』を刊行。選手へのインタビュー『今まさに聞く』も誠実な人柄が伺え好評。
飯尾篤史
主なカバー範囲:Jリーグ/日本代表
信頼度:★★★
かつて『サッカーダイジェスト』で日本代表やJリーグを担当。監督へのインタビューもこなす。Webスポルティーバで「北朝鮮を粉砕した森保ジャパン。 ハリルJより、おもしろいじゃないか」という記事を寄稿するも、本文ではハリルJに一切触れておらず、タイトルはWebスポルティーバ側で勝手につけられたことが明らかになった(川端暁彦 談)。2018年ロシアW杯のポーランド戦スタメン漏洩問題について、「1社はスタッフからのリーク、残りは覗き見」との見解を示した。
後藤健生
主なカバー範囲:日本代表/Jリーグ
信頼度:★☆☆
サッカー生観戦および取材活動に積極的で、相当数の試合をチェックしている。さまざまな媒体に寄稿し、中継解説も担当する。かつてネットラジオで「あんなジェフみたいな、あんなゴミみたいな…」と問題発言。
清水英斗
主なカバー範囲:全般
信頼度:★★☆
プレーヤー目線での戦術解説を強みとする。観戦指南の著書も多数出版。ハリルホジッチ解任騒動をうけて協会のビジョンのなさを手厳しく批判した。
宇都宮徹壱
主なカバー範囲:Jリーグ/日本代表
信頼度:★★☆
写真家・ノンフィクションライター。書籍の出版も多数。
藤江直人
主なカバー範囲:日本代表/Jリーグ
信頼度:★★☆
「ドーハの悲劇」を現地記者席で観ていたというベテランノンフィクションライター。
加部究
主なカバー範囲:全般
信頼度:★☆☆
『サッカーダイジェスト』『サッカー批評』での連載でお馴染み。長男が元サッカー選手。
大住良之
主なカバー範囲:日本代表/Jリーグ
信頼度:★☆☆
元『サッカーマガジン』編集部のベテランライター。日本代表戦後の監督インタビューでは毎回出席し質問する。
六川亨
主なカバー範囲:日本代表/Jリーグ
信頼度:★★☆
元『サッカーダイジェスト』編集長。岡田ジャパンに対して杉山茂樹・中山淳との座談会では「日本が勝つには監督交代しかない」。
浅田真樹
主なカバー範囲:日本代表/Jリーグ
信頼度:★☆☆
日本サッカーに関する記事をさまざまな媒体に寄稿。親善試合で韓国に敗戦後「今すぐにでも岡田監督を解任するべき」と手厳しく批判しグループリーグ敗退を予想。
植田路生
主なカバー範囲:日本代表/Jリーグ
信頼度:☆☆☆
『フットボールチャンネル』編集長。『フットボールチャンネル』は過去に「大宮アルディージャが不正会計」「吉田麻也、取材エリアを無言で通過」などいくつかの事実誤認記事を掲載している。
戸塚啓
主なカバー範囲:日本代表/Jリーグ
信頼度:★☆☆
『サッカーダイジェスト』編集部で編集記者を経てフリーに。テレビ番組への出演もある。
北條聡
主なカバー範囲:Jリーグ/日本代表
信頼度:★★☆
『ワールドサッカーマガジン』『週刊サッカーマガジン』の編集長を歴任。『サッカーキング ハーフ・タイム』など動画番組への出演も多い。
川端暁彦
主なカバー範囲:若年層の日本人選手
信頼度:★★☆
元『エル・ゴラッソ』記者・編集長。育成年代を中心に取材を重ねる。
二宮寿朗
主なカバー範囲:Jリーグ/日本代表
信頼度:★★☆
ノンフィクション・ライター。元『Number』編集部。ボクシングなど他のスポーツも扱う。
湯浅健二
主なカバー範囲:Jリーグ/日本代表
信頼度:★★☆
サッカー指導者。ブロガー。記事寄稿は少ないが書籍出版は多数。日本代表戦後の監督インタビューではよく質問している。
久保武司
主なカバー範囲:Jリーグ/日本代表
信頼度:☆☆☆
夕刊フジの編集委員。悪評散々だが、セルジオ越後や杉山茂樹と比較すると炎上度は低い(認知度の差か)。オシム政権時に的はずれな質問をしたことをオシムにたしなめられた。その後も基本的には日本代表監督批判スタンスが常。
ショーン・キャロル
主なカバー範囲:日本代表
信頼度:★★☆
『フットボールチャンネル』の『英国人の視点』でお馴染み。
チェーザレ・ポレンギ
主なカバー範囲:日本代表
信頼度:★★☆
『フットボールチャンネル』の『イタリア人の視点』でお馴染み。
日本代表取材(選手の声を拾う)
河治良幸
主なカバー範囲:日本代表/他国代表
信頼度:★★☆
日本代表の分析に加え選手の声も拾う。他国の戦術分析にも定評あり。Twitterでの活動も積極的。ハリルホジッチ監督には相当期待していたようだ。『サッカーキング ハーフ・タイム』など動画番組への出演も多い。
元川悦子
主なカバー範囲:日本代表
信頼度:★★☆
フリーのサッカージャーナリストとして精力的に日本代表を追い続ける。
大木勇
主なカバー範囲:日本代表
信頼度:★★☆
日本代表選手の声を拾う記事を多数寄稿する。
了戒美子
主なカバー範囲:ドイツ/ドイツの日本人選手
信頼度:★★☆
ドイツ在住のライター。多数の代表クラスの日本人選手がブンデスリーガで活躍する昨今、彼らの声を拾う記事を多数寄稿する。
コラム(海外サッカー)
ベン・メイブリー
主なカバー範囲:イングランド
信頼度:★★★
イギリス出身。オックスフォード大学卒。プレミアリーグ中継解説を担当する機会が多く、英国サッカーの知識は幅広く押さえる。Twitterでは日本語/英語での投稿を両立。ガンバ大阪のサポーター。
粕谷秀樹
主なカバー範囲:イングランド
信頼度:★★☆
元『ワールドサッカーダイジェスト』編集長。イングランドのサッカー事情に詳しくプレミアリーグの中継解説も担当する。マンチェスター・Uを寵愛。かつて小澤一郎の記事盗用騒動。
山中忍
主なカバー範囲:イングランド
信頼度:★★☆
プレミアリーグの記事を精力的に寄稿する。
木村浩嗣
主なカバー範囲:スペイン
信頼度:★★★
元『footballista』編集長。現在も『footballista』を中心にラ・リーガの戦術分析およびコラムを寄稿する。映画のコラムも書く。セビージャで少年チームの監督をしていた。
小澤一郎
主なカバー範囲:スペイン
信頼度:★★☆
スペイン在住5年。日本とスペインで指導経験あり。中継解説も担当し、ラ・リーガ担当であれば選手インタビューの同時通訳も可能。倉敷保雄、中山淳とともに「チーム倉敷」を自称。
小宮良之
主なカバー範囲:スペイン/日本代表
信頼度:★☆☆
スペインサッカーおよび日本サッカーのコラムを積極的に寄稿する。ヘスス・スアレス、ミケル・エチャリの翻訳コラムが好評。その反面、翻訳でない自身の日本代表関連コラムは支持を集めず。詩的な文体が特徴で、小説『ラストシュート 絆を忘れない』も刊行した。
片野道郎
主なカバー範囲:イタリア
信頼度:★★★
セリエAを追い続けるイタリア在住ジャーナリスト。選手や監督のインタビューもこなす。『footballista』のレナート・バルディ戦術分析記事が好評。
神尾光臣
主なカバー範囲:イタリア
信頼度:★★☆
さまざまな媒体でイタリアサッカーについて執筆・寄稿。
中田徹
主なカバー範囲:オランダ/ベルギー/ドイツ
信頼度:★★☆
オランダ、ベルギーの現地取材に定評。日本人選手も多くプレーするため、彼らを中心とする記事も多い。
鈴木達朗
主なカバー範囲:ドイツ
信頼度:★★☆
ドイツサッカーに精通する。
木崎伸也
主なカバー範囲:ドイツ/日本代表
信頼度:★☆☆
金子達仁主催の「金子塾」がきっかけでライターに。ブンデスリーガに詳しく、本田圭佑の密着取材もこなす。動画『ウンポコフット』では個性派キャラ。ハリルホジッチ監督の手腕については人心掌握と戦術の両面で警鐘を鳴らしていたが、豪州戦前の「戦術がない」評は批判を集めた。
遠藤孝輔
主なカバー範囲:ドイツ
信頼度:★★☆
フリーライター兼編集者。日本人選手についてだけでなくブンデス全般を広くカバーする。
フローラン・ダバディ
主なカバー範囲:フランス/日本代表
信頼度:★★★
フランス・パリ出身のジャーナリストで、トルシエジャパンでトルシエの通訳(アシスタント)を務めた。ハリルホジッチ監督とも親交があり、解任時には記事も寄稿。知的かつ筆致も豊かで、日本人ライターにはない独自な視点があるため価値は高い。
田村修一
主なカバー範囲:フランス/日本代表
信頼度:★★☆
欧州で権威のある雑誌『France Football』にも寄稿し、2007年よりバロンドール選考委員(投票委員)も務める。イビチャ・オシムとは「イヴァン」「モンビュウ」で呼び合う仲で、彼の声を拾う記事も多い。
小川由紀子
主なカバー範囲:フランス/日本代表
信頼度:★★★
フランスを拠点とするサッカーライター。ハリルホジッチ、川島永嗣、酒井宏樹に関する記事は多く注目を集める。
長束恭行
主なカバー範囲:クロアチア
信頼度:★★☆
東欧(特にクロアチア)のサッカーに明るい希少なサッカージャーナリスト兼通訳。『東欧サッカークロニクル』を刊行。
藤原清美
主なカバー範囲:ブラジル/南米
信頼度:★★★
セレソン取材に定評。ブラジル人選手・監督との距離も近い。ふわふわした癒し系の雰囲気が特徴の個性派ジャーナリストで、ブラジルではテレビ出演も。
コラム(炎上系)
セルジオ越後(元選手)
主なカバー範囲:日本代表/Jリーグ
信頼度:☆☆☆
日本サッカー界のご意見番。多数のテレビ番組にも出演し日本サッカー界を斬る。姿勢は一貫して批判ありきのポジショントーク。アジアカップ決勝での「やったぁ」「ホラリラロ」発言が免罪符となり「愛ある批判」と受け止められる得な立ち位置。「ツンデレおじいちゃん」の愛称も。
杉山茂樹
主なカバー範囲:日本代表/Jリーグ
信頼度:☆☆☆
「サッカー番長」の愛称だがネットではほとんどの記事が炎上し嫌われ者扱い。フォーメーション論を好む。岡田、ザッケローニ、ハリルホジッチともに解任論を唱えた。ハリルホジッチ監督解任の際には、NHKに出演しサッカーファンを絶望させた。実際はいい人(MCタツ、河治良幸 談)。
中山淳
主なカバー範囲:日本代表/スペイン/フランス
信頼度:☆☆☆
岡田、ザッケローニ、ハリルホジッチともに解任論を唱えた。スポナビライブではレアル・マドリード戦の中継解説を担当していたが悪評散々。スペイン・フランス両リーグの若手選手に精通するなど、光るところも。
詳細分析
結城康平
主なカバー範囲:日本代表/Jリーグ/欧州
信頼度:★★☆
英国大学院卒の若手気鋭ライター。ポジショナルプレーなど戦術論に詳しい。好評の結城康平×五百蔵容 対談企画などでは一貫してハリルホジッチ監督支持の姿勢。Twitter活動も積極的で、選手のプレーに対する着眼点も鋭い。
五百蔵容
主なカバー範囲:日本代表/Jリーグ/欧州
信頼度:★★★
難解な名前だが「いほろい・ただし」と読む。Twitterでは緻密なサッカー分析とキモツイ(自称)でフォロワーを楽しませる。「豪を破壊した、ハリルの「開始30秒」。徹底分析・オーストラリア戦」など分析記事が好評。
らいかーると
主なカバー範囲:日本代表/Jリーグ/欧州
信頼度:★★★
ブログ『サッカーの面白い戦術分析を心がけます』でお馴染みブロガー。『Goal.com』や『VICTORY』にも寄稿。サッカー指導者でもあるらしい。
林舞輝
主なカバー範囲:日本代表
信頼度:★★★
ポルト大学スポーツ学部大学院生で、ボアヴィスタFC・U22(ポルトガル)コーチ。ロシアW杯での日本代表の対戦相手国および日本代表のテクニカルレポートを寄稿した。
サッカー店長
主なカバー範囲:日本代表/Jリーグ/欧州
信頼度:★★★
ブログ『サッカー店長のつれづれなる日記 ~戦術は浪曼だ!~』でお馴染みブロガー。マルセロ・ビエルサを信奉し、スペクタクルなサッカーを好む。ハリルホジッチ監督に対してはかねてから懐疑的だった。
ライターとはまた別な方たち
池田タツ(MCタツ)
主なカバー範囲:-
信頼度:-
ニコ生『サッカーキング ハーフ・タイム』などの動画番組の司会をこなす。
澤山大輔(サワヤマ)
主なカバー範囲:-
信頼度:-
『VICTORY』プロジェクトマネージャー。本職はWebマーケティング。結城康平×五百蔵容 対談企画を立案するなど、サッカーのウェブ記事業界において影響力が強い。
浅野賀一
主なカバー範囲:-
信頼度:-
『footballista』編集長。『喫茶店バル・フットボリスタ ~店主とゲストの蹴球談議~』では、ゲスト論客とサッカー対談。